相談者はビル管理人として住み込みで働いていました。現実には午前6時から午後10時まで16時間もの拘束があったにもかかわらず、所定労働時間の8時間分のみが給料として支給されただけで、一切の残業料が支払われませんでした。
雇用者側は、ビルの管理人という職業は手待ち時間の多い業務であるとして、相談者を断続的労働従事者としていました。しかし、ビル管理人であった相談者の側は手待ち時間、および仮眠時間といえども業務から完全に解放されることはなく、労働時間に含まれるという考えでした。
相談者はビル管理人として住み込みで働いていました。現実には午前6時から午後10時まで16時間もの拘束があったにもかかわらず、所定労働時間の8時間分のみが給料として支給されただけで、一切の残業料が支払われませんでした。
雇用者側は、ビルの管理人という職業は手待ち時間の多い業務であるとして、相談者を断続的労働従事者としていました。しかし、ビル管理人であった相談者の側は手待ち時間、および仮眠時間といえども業務から完全に解放されることはなく、労働時間に含まれるという考えでした。
相談者は断続的労働従事者なので、手待ち・仮眠時間の残業代は認められない。
※断続的労働従事者とは、労働時間中に日作業に従事しない手待ち時間の多い業務のこと
まず、雇用者が相談者を断続的労働従事者として、管轄の労働基準署に許可申請していたかどうかを調べました。すると、届けは出されていませんでした。行政官庁の許可を得ることなく就業規則にその旨を明記するだけにとどまり、基準監督署への手続き不備のまま就労させるという違法行為をしていたことがわかりました。
労基署への許可申請という必要な手続きを踏まずに、待遇面だけで相談者を断続的労働従事者扱いにしていた点を追究。さらに、手待ち、および仮眠時間といえども、必要があればその都度対応しなければならず、完全に業務から解放されるわけではない管理人業務の実態を訴えました。
手続き上の不備を指摘されて後ろめたかったこともあり、会社側は大幅に歩み寄り、和解が成立。金額面も相談者の要求額に近い和解金を得ることができました。
※2020年4月以降は時効期間が3年になりました。
残業代が請求できるかどうかのポイントについて詳しく解説しています。