相談者は工務店に勤める建築士です。図面作成以外に現場での立ち会いなどもあり、仕事量は膨大でした。が、この事務所では残業を許可制にしており、1日2時間までと決めていました。しかし、とてもこの範囲内で片づく作業量ではなかったので、相談者はやむなく2時間の残業許可を申請したうえで、実際にはそれ以上働いて仕事をこなしていました。
相談者は工務店に勤める建築士です。図面作成以外に現場での立ち会いなどもあり、仕事量は膨大でした。が、この事務所では残業を許可制にしており、1日2時間までと決めていました。しかし、とてもこの範囲内で片づく作業量ではなかったので、相談者はやむなく2時間の残業許可を申請したうえで、実際にはそれ以上働いて仕事をこなしていました。
時間外勤務手当(休日勤務、深夜勤務も同様)は、命ぜられ、または承認を得て、その勤務に服した従業員に支給すると就業規則に明記しており、問題はない。
残業が許可制であることは、たしかに就業規則に記されていました。しかし、その一方で、上司は相談者に納期厳守を強き、ノルマを課していたことがわかりました。つまり、事実上、上司が残業を命じていたのです。
残業は命じられた場合のみしか認めないといっておきながら、ノルマを与えていたということは「黙示の指示」がなされたことになります。残業許可制というルールを自らが違反していた点を指摘しました。
交渉に当たった相手側の弁護士もこの会社の残業許可制が労働実態にそぐわないものであることを認め、サービス残業していた分の残業代を回収することができました。
※2020年4月以降は時効期間が3年になりました。
残業代が請求できるかどうかのポイントについて詳しく解説しています。