相談者は流通チェーン店の紳士服バイヤーで、肩書きでは主任の地位にありました。勤務内容は日常的にハードで、平均勤務時間は12時間近くに及び、遅いときには深夜12時までも残業させられるという日々が続いていました。
相談者は流通チェーン店の紳士服バイヤーで、肩書きでは主任の地位にありました。勤務内容は日常的にハードで、平均勤務時間は12時間近くに及び、遅いときには深夜12時までも残業させられるという日々が続いていました。
就業規則の中で、主任職になると残業代はカットされるという規定を設けている。残業代に代わるものとして主任手当を支給しているから問題はない。
第一のポイントは管理監督者でもない相談者に対し、就業規則で残業代をカットすると規定していることの不当性です。支給されているという主任手当から割り出した残業時間数は毎月20時間に満たないもので、これを大幅に越えるサービス残業を課していた事実も問題視しました。
驚いたことに、調べてみると就業規則は相談者の同意を得ずに変更されていたことが判明。明らかに企業側に非があり、この点を追究しました。
雇用者側が就業規則を盾にとって、残業代の支払いを拒否するケースは多く見られます。たとえ規則に書かれていても、またその内容に合意していたとしても、労働者の不利益につながるような規則は無効と見なされます。就業規則よりも労働基準法のほうが優先されるとお考えください。
最初は就業規則を盾に抗弁していた企業側も、私たちの調査で就業規則を無断で書き換えていた事実が明らかになると非を認め、示談が成立しました。
※2020年4月以降は時効期間が3年になりました。
残業代が請求できるかどうかのポイントについて詳しく解説しています。